殆どの側弯症患者は、一般的には、何もしなくても湾曲が進行せずに治ったり、
少の湾曲を維持しても、生活上の大きな支障もなく一生を過ごせるのです。

然し、検診で背骨の弯曲が見つかり、それが25度を超えていたとした場合には、湾曲の進行の早い、悪性の側弯症かもしれません。

このように、弯曲が25度を超えた側弯症患者の場合には、「装具療法」を用いて
少しでも角度の進行を防ぎ、なるべくなら手術をせずに済むよう矯正をかけます。

ここでは、側湾症の治療に、装具を用いる事について、詳しく説明しています。

 

 
★★ 側弯症と言う病気は、どのようにして起こるますか。

正常な脊柱は、S字型に生理的弯曲しておるのですが、この弯曲が異常だったり、

脊柱が、側(横)方向に弯曲したりすることを、脊柱変形といいます。

脊柱変形は、脊柱が捻じれながら横方向に弯曲していく「側弯症」後方に曲がる
「後弯症」側弯と後弯が合併した「後側弯症」の3つに分けられます。

多くの外来患者は、いわゆる側弯症であり、原因不明な「特発性脊柱側弯症」が、
殆どです、次に多いのは、生まれつき背骨に奇形を伴う「先天性側弯症」です。

生まれつき椎体に奇形があったり、癒合(ゆごう)したりして、「先天性側弯症」は

起こります、変形の状態によっては、後方に弯曲することも稀にあります。

この他に、脊椎以外の病気で変形する「症候性側弯症」など、側弯症は様々に、
ありますが、整形外科での治療の対象になる側弯症は、主に「特発性側弯症」と
「先天性側弯症」になります。

 

 
★★ 側弯症治療に用いる装具の仕組みと重要性。

整形外科医から、側弯症と診断されて『装具を着けなさい』と言われた場合は、
ショックとともに、なかなか装具の重要性を理解できないものですが、手術を避け
るためにも装具は効果的に使用して欲しいものです。

装具の仕組みを、分かり易く説明しますと、コルセットと言う身体を締めつける、
不恰好なものであり、側弯症の知らない人から見ると、姿勢を治すための大げさな
矯正器具のように見える様です。

実際装具には、側弯症の湾曲進行を止めるだけではなく、装着している患者の姿勢
を良くし、男性なら軍師の様に凛々しく、女性なら淑女の様に上品に、真直ぐな、
姿勢が保てるようになるのです。

ある側弯症患者には、まじめに装具をつけず、湾曲の進行は偶々止まったものの、
大人になってからも、歪んだ背骨のために姿勢が悪く見え、失敗したと後悔した人
もいる様です。

側弯症の多く起こる、思春期の人目の気になる患者には、装具の様な外見の悪い、
物を付け続けなければならないのは、とても辛いものです。
然し、将来湾曲が矯正され、手術をせずに済み、更に姿勢も良く見える様になる、
のであるなら、着けない手は無いと思います。

「装具療法」にとって、最も重要なことは、患者自身が装具を活用し、側弯症を
少しでも治そうとする意識と意欲です。

病気は医者が治すのではなく、患者自身が自ら努力して、治そうとする意欲こそが
「装具療法」の治療効果を高め、成功させる鍵となるのです。

背中12★★ 美しい背骨の若者

 

 
★★ 側弯症に対しての、「装具療法」での期待効果について

側弯の矯正とともに、進行を遅らせることが、「装具療法」での期待効果です。

「装具療法」で矯正ができない場合であっても、医師はなるべく装具を着用させ、
進行の遅延を図り、ある程度成長したところで手術をしたいと考えています。
但し、「装具療法」の効果には、個人差があることも承知しなければなりません。

誰でも、手術はしたくは無いものですので、「装具療法」で治るのであれば、
有り難いものですが、このことは、医学会でも議論されており、発症の時期や弯曲
の状態からは、ある程度の予測はつきますが、進行する、しないかについての
指針はまだ明らかになっていません。

治療で、カイロや整体を訪れる人も多い様ですが、残念ながら側弯症に関しては、
それらでの治療効果は、期待できません。
効果のない治療を何年も続けた結果、側弯が進行してしまって、その後手術治療
を必要とし、数回も実施したと言う例もあるようです。

この様な事にならない為にも、整形外科医での定期的な受診をおすすめします。
整形外科での受診は、装具を着け始めた頃は1回/3ヶ月、安定して来た場合、
1回/4ヶ月、の診察で弯曲の進行をレントゲン写真で診ます。

エックス線被曝の影響を考慮して、撮影枚数は最小限にとどめます。
最近では、人体への影響がより少なく済む、エックス線撮影装置を設置している、
施設も増えてきました。