※ 腕へのリンパ浮腫マッサージの方法を詳しく説明しております。

リンパ浮腫の治療には、個々の症状に応じて、リンパ浮腫の専門的診療施設を受診し、専門的な運動を組み合わせた治療を受けることです。

「保険診療」の治療ほかに、病院独自の「自由診療」(保険外診療)を行っている場合もありますので、病院と納得のいくまで相談することをお勧めします。

※ 腕のマッサージを説明する前に、リンパ浮腫について簡単に説明をします。

◆リンパ浮腫とは、全身に網羅されたリンパ管を流れるリンパ液が、なんらかの原因で流れが滞り四肢に溜まった状態を言い、この病気は、一度発症してしまうと完治することはまずありませんから、一生つきあって行くという厄介な病気といえます。

◆症状としては、一般的に痛みを伴わないことが多いのがこの病気の特徴はです、ゆっくりと進行しますので、自覚症状があまりないまま気付かずにいることがよくあります。また、リンパ浮腫は症状を放置しておいても自然に治ることがない病気です。

◆原因については、一つは原因が明らかでない『原発性リンパ浮腫』と原因が明らかな『続発性リンパ浮腫』とがあります。

前者は、リンパ節やリンパ管の発育不全・圧迫・狭窄・閉塞などがこの原因です。生後すぐから浮腫がみられていたり、高齢になってからむくむ場合がありますが、これもリンパ管の発達が問題となっております。

後者は、癌治療による後遺症(乳癌・子宮癌・前立腺癌 等のリンパ節郭清後や放射線照射後に静脈疾患によって起る)の一つといわれるのがこの原因です。

リンパ管の発達には個人差があり、リンパ管を手術で失ってもリンパ浮腫にならない人もいれば、癌の手術後すぐに発症する人もいたり、5年・10年後に症状が現れる人もあります。

リンパ浮腫の治療マサージは、『医療リンパドレナージセラピスト』と呼ばれる資格の持つ施術師が常駐する医療機関に行かれることをお勧めします。

『医療リンパドレナージセラピスト』とは、医師の診断および指示に基づき、患者さんやご家族への生活指導、リンパ浮腫保存的治療法である「複合的理学療法」により、治療を行う施術者のことです。

□ 腕へのマッサージ □

乳癌などの手術で脇の下のリンパ節を切除した場合、この部分のリンパ液の流れが悪くなります、そのためリンパ液を正常なリンパ節の残っている反対側の脇の下まで誘導する目的でマッサージを行います リンパ浮腫のマッサージは、一日2~3回(朝、昼、夕)、各15~20分ずつ行うのが適当です

まず、 マッサージ開始前にまず準備運動 を行います。

① 肩回しを10回(両腕を前から後ろへ大きく回転しましょう、このとき鎖骨が動くのを感じて下さい)

② 腹式呼吸を5回(口からゆっくり息を吐き、鼻からゆっくり息を吸いましょう、このときおなかが膨らむのを感じてください)

※ マッサージの方法と順序

『方法』は、
手のひら全体でゆっくりとすり上げます。
硬くなった部分は手のひら全体でやわらかく揉みほぐします。
発赤や痛み等の炎症ががあるときは、マッサージを中止します。

『順序』は、
イ、最初に手術していない方のわきの下をマッサージし、わきの下のリンパ節へ流れ込みやすくします。
ロ、前胸部は、手術していない方のわきの下に向けて流します。
ハ、二の腕は、肩先に向けて流します。
ニ、前腕は、手首から肘に向けて流します。
ホ、手は、指先から手首に向けて流します。

「リンパドレナージ」の考え方としては、いわゆる肩や腰の凝りをとるための「マッサージ」とは本質的に異なり、リンパ浮腫における「マッサージ」は優しく皮膚をさするように行うもので、「リンパドレナージ」として区別して呼称しております。ドレナージとは「排液」という意味で、むくみとなるリンパの液を皮下から排液すると言う意味です。

自分自身で身体を動かすことは、生活の中でできるマッサージとも言えますが、リンパドレナージは足または手の先端から中心部(心臓)に向けてマッサージを行います。

二次性リンパ浮腫は、腋の下または鼡径部のリンパ節を切除しており、これらの部分のリンパ液の流れが悪いことが根本的原因ですので、これらの周辺部分のリンパ液の流れを良くすることで当然全体のリンパ液の流れは良くなります。

逆に、その部分の流れが悪いままでリンパ節までのリンパ管の流ればかり活発にしますと、リンパ液はこれら周辺のリンパ節の手前で溜まってしまって、逆に流れが悪くなってしまうことがあります。

ですから、出来る限り鼡径部または腋周辺部分を中心部(心臓)へ向けて行い、最後に手足のドレナージを行うのです。リンパドレナージの基本的考え方からしますと、リンパ管が最終的に静脈に合流する左鎖骨上窩から始めることとされています。

※ リンパ浮腫外来では、何らかの原因でリンパ浮腫を発症した患者さん個々人の症状に応じた専門的治療(リンパ液を正しい方向に誘導する治療)を行います。

リンパ浮腫外来のある医療機関は全国にあります。このような病院はインターネットをお使いの皆さんであれば簡単に検索できると思います。

『リンパ浮腫・外来』と入力することで、簡単に見つかりますが、近くにないばあいもありますので、突然その病院に行く前にかかり付けのの医院でまずは相談するのが良いでしょう。

※ 最後に、リンパ浮腫にならないための予防策としては、

①むくみの有無を日頃観察し、むくみの早期発見を心掛ける。
②炎症を予防するためにスキンケアを行う。(皮膚の清潔を保つ・皮膚の乾燥を防ぐ・皮膚を傷付けない)