十二指腸潰瘍と診断されたとき、食事はどのようにしたら良いのでしょうか?
胃を安静にするためとは言っても、何も食べない訳にはいかないし、
かと言って、普通の食事では良い訳はないと思います。
患者も、家族も悩んでしまいます。
ここでは、十二指腸潰瘍が 食事するときに 注意すべきことの説明です。
◆ 十二指腸潰瘍患者への、食事療法の基本方針
十二指腸潰瘍患者には、次の2点を基本として、食事を提供することです。
①栄養価が高く、胃酸分泌に及ぼす影響が少ない。
②消化が短時間で、胃内停滞時間が短く、胃・十二指腸に負担をかけない。
患者の、嘔吐・出血 等の自覚症状が激しい発作時には、一時的に絶食にして、点滴により栄養を補給しますが、長期間、胃の中を空っぽにしておくことは、消化管運動の収縮誘因となり、かえって良くはありません。
出血した場合でも、止血後は速やかに、流動食・粥食 等の柔らかい食事から
開始するようにします。
現在は、胃・十二指腸潰瘍に効果のある、治療薬が開発されておりますので、前記した様な急性期の場合を除き、家庭で管理できる程度の患者の場合には、あまり厳しい食事制限はしません。
余りにも気にし過ぎて、食事そのものがストレスになることは避けて下さい。
ある程度の注意をしながら、バランスのとれた食事を腹八分目に規則正しく、よく噛んで、楽しい雰囲気の中で食事することが治療には大切です。
◆ 基本方針に沿った、食事療法を進めるための注意点。
■ 刺激性食品は避ける。
十二指腸潰瘍では、胃の中の胃酸が高くなっています。
刺激性食品を取って、胃酸分泌が促進されることの無い様にして下さい。
避けたい刺激性食品とは、次のものです。
・アルコール・たばこ・カフェイン・炭酸飲料・香辛料・かんきつ類
そして、極端に熱い物と冷たい物です。
■ 消化の良いものを食べる。
消化の良い食べ物とは、次の様なものを言います、参考にしてください。
① 物理的に硬くないもの。
タコ・イカ・貝類・干物 等の、硬いものは消化が悪いのです。 ↓
生食はせず、茹でるとかして柔らかく調理して食べることです。
② 食物繊維が多くないもの。
ゴボウなどの根菜類、海藻類、きのこなどは食物繊維は多いです。
細かく切る、ミキサーにかける 等で、食物繊維は少なくなります。
③ 胃内停滞時間が短いもの。
油は胃内停滞時間が長いため、消化が悪く、胃の負担が大きくなります。 バター・マーガリンなど、比較的消化の良い脂肪を少しずつ摂ること。
■ 1日の食事を、4~5回に分けて食べる。
一度に沢山の物を食べると、弱っている胃に負担をかけてしまう、一方で
食事と食事の間隔が空き過ぎて、 胃を空っぽにしておくことは、痛みの原因
にもなりますので、そのために、食事の回数を4~5回に分けることです。
食事回数を多くすると、食べ過ぎになる可能性があるので要注意です。
■ ゆっくり良く噛んで食べる。
噛むことで食べ物を細かくし、唾液とよく混ざり合い、消化されやすくなり
胃の負担も軽くなります。
早食い、ながら食い、 イライラ食い 等は、と、消化には良くありません、
ゆっくり味わい、食べる事の楽しさを感じながら食べるようにしましょう。 楽しく、おいしく食べることが、ストレス解消に繋がります。
■ 胃・十二指腸潰瘍などに、効果の有る食べ物を摂る。
「ジャガイモ」には、消化不良を治す効能ある。
「梅」は 胃液の分泌を良くする。
「緑茶」には、ビタミンV多く含む。
「きくらげ」には、高い止血作用の効能がある。
自然食品には、十二指腸潰瘍に効能のある物質が多く含みますので、日常の
食べ物として食事に提供するよう努力してください。