百日咳の診断は、難しいです。
感染症の、一般的な診断は、菌の存在を検査すれば、良いのですが、
百日咳菌は、直接見つけることは難しく、一般的には行われてい実情です。

ここでは、百日咳の診断基準について、詳しく見ていきます。

 
★★ 百日咳の診断には、病原体である百日咳菌の検出が必要です。

百日咳の診断には、病原体である百日咳菌の検出が必要となりますが、
発症後、3週間での検出率は1~3%と低く、成人の百日咳例は2.2%と、
極めて低いことから、発症後4週間以上の場合は、百日咳抗体検査を行います。

従来から汎用されてきた、細菌凝集反応による百日咳抗体検査は、試薬の、
製造中止に伴い、現在では、この検査は行っておりません。

百日咳抗体検査で、EIA検査は、

・百日咳菌毒素(PT抗体)・・・・・・・百日咳から分泌される、
・繊維状赤血球凝集素(FHA抗体)・・・菌体表面に存在する、
それぞれのIgG抗体価を測定します。

百日咳感染後、90%以上の確率で、PT抗体・FHA抗体が検出できます、
咳などの症状が現れる、2~3週間後からは、抗体価の上昇が認められる様です。

百日咳菌に、最も特異性が高い検査は、PT抗体でありまして、
感度76%、特異度99%、感染後平均4ヵ月半で、著明に減少し始め出して、
1年以内には、82%は陰性化すると報告されています。

このため、単血清でPT抗体価が、100EU/mL 以上であれば、
4週間以内の、百日咳感染の指標となります。
パラ百日咳菌 等、他の菌体にも存在する、FHA抗体は、交差反応があり、
ワクチン接種を行った健常者では、高力価での保有率が高いことから、
百日咳診断には用いておりません。

DPT三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)に含まれる、
百日咳ワクチンには、PTとFHAが、主要抗原として使用されているため、
ワクチン接種の効果判定には、とても有用です。

以上のことを診断基準として、取扱っております。

 
★★ 診断のために、百日咳の症状について詳しく知りたい。

百日咳の咳の症状には、特徴があります。、
一度聴いたら、忘れることのできない音の咳がでるのが、大変特徴的なのです。

どの様な咳かと申しますと、

①短い間隔で、エホ、エホ、コン、コンと言う咳が、連続的に出ます。
これを、『スタッカート』と言っています。

②急に息を吸い込んで、ヒューと、笛の音のような呼吸音が聞こえます。
これを、『フーピング』と言っています。

百日咳の咳の一番の特徴が、この『フーピング』といるでしょう。

喘息発作息は、”吐く”時に、ヒューという呼吸音が聞こえます。、
百日咳は、息を”吸い込み”ながら、ヒューという呼吸音が聞こえます。

①②のような咳嗽発作を繰り返すことを、レプリーゼと言い、日本語では、
発作性痙攣性咳嗽」と言っており、数分~30分も、続くことがあります。

この咳嗽発作には、嘔吐を伴うことが、しばしばあるのです。

「発作性痙攣性咳嗽」を、確認できれば、百日咳の診断は簡単ですが、
気管支が弱い乳児の場合は、息を吸い込む力が弱いために、「痙攣性咳嗽」は、
良く聴かれず「よく咳をする」程度にしか、思えないこともある様です。

「発作性痙攣性咳嗽」は、年長児や成人であっても、明確には見られません、
「咳が長く続いて苦しそう」というくらいの症状しか見られず、
「特徴の無い、咳が永く続く」のが、特徴と言えるかもしれません。

「発作性痙攣性咳嗽」の、よく見られる年令層は、幼児ですが、
とは言っても、百日咳に罹ったから、全員に見られるわけではないので、
症状だけから、百日咳を診断することは、とても難しいことが多い様です。